ここは、そこそこのコミケ参加歴を持つcassellが、片手で数えるほどの体験談と、そこで得た知見を語るところです。駄文になりますが、ご覧いただけると幸いです。
財布を落とした
とある夏コミのとある西待機列での出来事だった。
正確な年は覚えていないが酷暑であることに変わりはなく、たまに熱中症と思われる人が車椅子で運ばれていくのを見かける何時もの夏コミだった。
開会前に形成された待機列(列確定後は離れることができる)から、友人が個室トイレ(50分かけて)に移動した際、個室内に財布を落とすが、待機列に戻る途中で財布が無いことに気づき、個室トイレへ戻るも(40分かけて)既に財布は無く、まだ見ぬ本の描き手へ捧げるはずだった軍資金どころか、帰りの電車賃まで失うこととなり、文字通り膝から崩れ落ち、開会初日のまだ開会してもいない会場の外で、心身共に激痛に打ちひしがれることになった。
待機列に居た私は、個室で嗚咽を漏らしているとわかる友人からの電話を受け、友人に列への帰還を促し、私の軍資金で友人を支援することになった。
いつものこの時間なら身を太陽に焼かれながらも、目当ての本を手することができるか不安と期待が渦巻く感情を、コーヒーカップの深さ程もない心の器から溢れさせている頃だっただろう。
しかし、この時は友人とギラギラに輝く太陽の下で、蒸発していまいそうな軍資金の運用について、仲良く青ざめながら悩むことになった。
友人は東京ビッグサイトと、そこを管轄する警察に届出を出し、準備会にも問い合わせをして、後日、財布は発見され友人の手に戻ってきた。
財布を落としても、無事に警察に届けられることが話題になる日本、流石である。
が、財布は戻ってきたが金銭が無くなっていた。
残っていたのは、財布を紛失した日の朝に何を買ったかを嫌でも思い出させるレシートと、この財布は自分の物だと隠れて主張するが無駄な抵抗に終わってしまった身分証明書だけで、代償は大きかった。
私はこの件を機に、ネックウォレットを使いだしたり、使い勝手のよい銀行口座へ乗換えたりすることになる。
次の冬コミで、友人に予備の財布はあるかと聞くと、清々しい返事が返ってきた。「ない。」
もし、こんな状況に陥ってしまったら
財布には金銭以外にも重要なものが収められていることが多いです。
キャッシュカード、クレジットカード、免許証、身分証明書、もしかしたら暗証番号を記載したメモも入っているかもしれません。
では、コミケ会場で財布を落とした場合はどうするか。
- カード類がネット対応のものなら、ネットから利用停止をかけることが出来ますので、まずはこちらの設定をしましょう。ネット対応がなければ電話連絡になります。
- 落としたと思われる施設への問い合わせをしましょう。この場合は、東京ビッグサイトになります。
- 開催期間中は、準備会インフォメーション、準備会更衣室本部が問い合わせ先です。
- 開催日閉会後は、準備会インフォメーションが問い合わせ先です。
- 開催期間後の準備会への問い合わせは、往復ハガキとなっています。
- 警察へ問い合わせましょう。警視庁「落とし物検索」もありますが、落とした当日にこのシステムを利用して戻ってくるかは分かりません。
ご理解いただけましたでしょうか……え……「お一人で参加して帰りの電車賃も無い場合はどうする」ですか。
はい、交番の公衆接遇弁償費制度によって、交通費(限度額1000円)を借受願書に記入することで、借りることができます。
会場に行くときは使わないカードを持って行かない、予備の財布を用意するなどの対策をしましょう。
ただし、2021年冬からアーリーチケットの本人確認として、身分証明証が必要になっていますので注意して下さい。
詳しくは、準備会の「落とし物について」を読まれることをお勧めします。
終わりに
貴重な時間を使ってお読みいただき、誠にありがとうございます。
この件に遭遇する前から、予備の財布に金銭を分けたり、コインシリンダーを利用したりしながら参加をしていましたが、不運に巻き込まれる形での出来事でした。
準備会も落とし物の問い合わせに対応する部署を設けていますが、負担になっているとのことです。気をつけていても落としてしまうこともありますので、ご注意を。
では、楽しいコミケをお祈りしています。
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